引きこもり主婦、中目黒へ行く

　パートを辞めて早1ヶ月。

仕事を探さないといけないのだが「前の職場から源泉徴収票がまだ届いてないから」と理由を付けて本腰を入れようとしない。

一足先に辞めた人から郵送して貰えたという情報を仕入れてからは

「遅くなってもいいんだよ　自分で手続きするときに間に合えば！

今、髪金髪だし。　もう少ししたら白髪染めシャンプー効果出始めるかもしれないし

なんつうか、年末のタイミングで働きたくない・・・」

　って豚小屋の豚の方がまだ真面目な有様である。

こんな事考えてるって夫にバレたら・・・と考えると怖い。

　おまけに頭を強く打ってから心なしか頭痛が酷くなった気がするが、脳神経外科に診て貰うほどでもないので放置状態。

　時間が有り余るからと言って、家事や趣味に精を出すわけでもなく、何かを頑張るわけでもない。

わかりきっていたことだが、自分は無趣味でチャレンジ精神もない根っからの引きこもり体質だ。

　「今日は絵を描いてみたい！」「たまには外出したい！」

とヒトとして最低限のやる気や願望はあるんだけど、脳と身体がちぐはぐで、やる気があっても身体がだるかったり・・・。

私だって毎日頑張りたいし楽しみたい。

　未だに冬用のパジャマのズボン持ってなくて、私服のジーパンで済ませてるし。

私服っていっても何年も前に流行ったUNIQLOのボーイブレンドジーンズ（￥3990）なんですけどね。

太ったウエストに楽で、オン（近所のスーパー）でもオフ（家）でも大活躍なんだけど、１本で済ませるの無理あるし、っていうか、股ずれして生地薄くなってるし。

ブラとパンツの上下セットも買わないとヤバいし、汗かきの癖につま先は氷みたいに冷たくて、もこもこした靴下じゃなと辛いし。

なんで生まれてきたのかな　私は・・・。

　先日、身内の不幸があって遠くから親戚が来た時、

「羽田と成田どっちがいい？」

「東京の行き方と待ち合わせ場所なんだけど～・・・」

　もうね、なにひとつ答えられなかった。

まず、飛行機に乗ったことなんて子供の頃の２回だけで、大人になって友達と旅行とか一度も無かったし。　そもそも東京なんて北千住くらいしか馴染みがない。

（※ルミネとマルイ限定）

聞いてきたおばさんもきっと「あっ・・・（察し）」ってなったに違いない。

「中目黒って各駅電車あるけど最後まで乗った事一度もないな・・・」

よし、行こう。　私は思いつきで中目黒に行くことにした。

　中目黒は、ヴィンテージ物の古着屋があったり、おしゃれな街らしいが古着屋に１ミリも興味が無いし、美味しいお店があってもどうせ一人じゃ入れないだろうからなるべく気負わないで向かうことにした。

　急行に乗ったので渋谷で乗り換えをしないといけないんだけど、目的地の3番線が遠い。　よくわからないから適当に流れに乗って進んだら運良く着いた。

壁一面、某アニメの劇場版の宣伝がしてあって都会の風を感じた。

30近くになって渋谷駅が人生発ってお前・・・（しかも乗り換えで）

　とうとう中目黒に着いた。　しかしどこへ向おうか考えていない。

適当に歩いて良さそうな店があったら入ろう。

　とにかく歩きスマホとチャリと黒縁メガネのツーブロック男が多い。

適当に歩き進んだらレンガ造りのデカい建物が。

奥の入り口で「面会者受付」って受付があって、母娘がサインしてる。

更に進んだらおまわりさんいるし何だろな～って思ってたら目黒警察署だったみたい。

「さっきの母娘はお父さんがなにか犯罪を・・・？」って少しズーンとなった。

　目黒銀座商店街についた。　地元は商店街が無いほど寂れていたので新鮮だった。

商店街というか飲食店が多かった。

賑わっているようで賑わっていないような。　どこら辺が銀座なのだろうか。

結局この商店街３周くらいした。　　特に用事など無いのに。

　お昼をどこで食べようかさまよったんだけど、飲食店がとにかく多かった。

どこもかしこもオシャレで、おまけでランチタイムだからどこも満席なんですね。

おまけにサラリーマンもOLも、なんだかオシャレなんですよ。

　それは予想できてたからいいのですが、一軒一軒店内が狭いんです。

カウンターに座っても隣に人の肘と肘がぶつかり稽古しちゃう。

パッと見ですが、一番狭い立ち食いうどん屋は壁と背中がゼロ距離だった。

昔、Jチャンの特集で「激セマ！　隠れた名店！！」みたいな飲食店が散々出ていたけど、東京はこれが当たり前なのだろうか。

　とにかくさまよった。　美味しそうな店は数あれど、入れない。

高架線の下すらオシャレな飲食店やセレクトショップが並んでる、さすが中目黒。

　ランチもやってるという酒BALに入った。　高級な夢庵みたいな。

オープンな店が多い中、唯一外から中が見えない店で、かえってお一人様でも入りやすかった。

　煮魚定食を頼んだ。　一昔前の私ならからあげ定食にしていただろう。

単に「魚の方が高いから」「自分じゃ作らないから」って理由なんだけど。

煮魚は身がふっくらしててとても美味しかったのだが、あまりの忙しさに店員がテンパっててなんだか居心地が悪い・・・。

　腹も満たされたが、深刻な問題が派生した。　トイレ行きたい。

（さっきの飲食店は借りづらかった）

地元の駅はわかりやすいところにトイレがあるし、中には小規模だけど駅の中にショッピングで施設が入ってたりトイレには困らないというのに、中目黒には気軽にトイレに入れる場所が少ない。

　電車で揺られる中、スマホで中目黒の特集記事を見てたんだけど

「最近リニューアルしたばかりのキレイなお店です！

駅から近いので、ここでトイレを借りちゃいましょう♪」

みたいな、店側からしたら迷惑千万な記事があったけど、この事だったか・・・

結局、駅？の中に小さなトイレがふたつだけあったので借りた。

　特集でやたら押されていた古着屋や雑貨屋はとうとう見つからなかった。

ナチュラルローソンをはじめて見かけた私は、タピオカミルクティーとドライクランベリーにチョコをマブした奴を買った。

屋台のタピオカは敷居も値段も高いので、これで十分だべ、と飲んだがタピオカの歯ごたえのなさは正直スーパーで130円で買ったやつと同クオリティだった。　チョコは美味かった。

で、住宅街なのにやたら急な坂道を登ってみたり、用も無いのにニトリに行ってみたりして私の中目黒デビューは終わった。

　ブックカフェとか「読むのか食うのかハッキリせい」って言いたくなるし、銀座商店街は路駐が多いし（店があるから仕方ないね）、黒板にチョークでメニュー書いてあるようなオシャレすぎて入りづらい店多すぎるなぁ、と思いました。

スタバなんてイケメンな店員さんが丸見えだったけど、言い方悪いけど彼、客寄せパンダだよね（ひねくれ）

　歩きすぎて踵にひびが割れたような痛みが襲う。

最後は北千住のマルイに行って、高めのポチ袋とケーキ買って帰った。

特に何も成し遂げていないけど、こう言う日があっていいよね（言い訳）

　中目黒の収穫は、

「恵比寿と代官山に挟まれている」と知った事。

P,S 　次の日足が筋肉痛で辛かった。　やばい・・・